しれっとリンク集に入れておきましたが、記事にした方が見つけやすいと思うので、横浜市での小規模園の連携について解説します。
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kosodate/iko/setumeikai.files/R5_s_s1_2.pdf
この資料のPDFで32ページくらいからがその仕組みですので、知っている方、このPDFが開ける方は、本ページは特に読む必要はないはずです。
また2023年の最近では港北区のコンシェルジュのページの1番下にあるよくある相談質問集にも優先入所の仕組みとして紹介があります。
一般向けにどこにも書いてなければ質問して当然の事項だと思うのですが…。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/kurashi/kosodate_kyoiku/hoiku/hoikujo/kohoku_concierge.html
21/8/12 利用調整基準の変更を受けて、一部補記しました。
22/4/4一部誤認があったので、訂正。URLなどを最新版に差し替え。
連携先とは
横浜市は小規模園に2歳児クラスを終えた後の行き先を確保することを義務付けています。この行き先を連携先と言います。
連携先は複数行き先があることがほとんどですが、例えば2歳児クラス8名に対しA保育園2名、B保育園1名、C保育園4名、D幼稚園1名など、全ての連携先で受入人数を足すと、2歳児クラスの定員の数か、+1-2名程度の枠しかないため、好きに選べるものではありません。
さて、ここで連携先に幼稚園が紛れているのにお気づきになると思います。連携先は認可園だけではなく認定こども園の教育枠や幼稚園でも良いとされています。
各地域型保育事業の連携先一覧(卒園後の進級先)について 横浜市
進級先の決定方法
では、どこの連携先に行くことになるのか。
連携園が認可園のみの場合
連携先に認可園しかない場合は単純です。2歳児クラスの中で連携先への進級を希望する家庭が、進級先希望園を第一希望、第二希望…と提出し、通常のランクバトル(利用調整)を行います。このランクバトルは夏から秋にかけて行われ、ランクバトルに敗れても翌年4月の一次利用調整の申請には間に合いますので安心してください。
ですから連携先に「ここは無理」という園という園があっても希望を出さなければ行くことはありません。
また、最初から連携園バトルにはエントリーしないという選択も可能です。辞退すると転居などの事情を除き、一次利用調整も二次利用調整も参加できませんから、希望条件にぴったりな新設園が出来て入れる見込みが高い場合は参加しないという選択もあり得ます。連携園に挑戦しなくても卒園ランクアップは付与されます。
また逆に内定以降に目ぼしい新設園の設置が確認されるリスクも認識し、新設園に抵抗がなければ新設サーチは欠かさないようにしましょう。内定前ならノーダメージで取り下げ可能です。
なお、2020年12月1日現在の港北区内の小規模園、家庭的保育事業、事業所内保育事業の2歳児クラス利用人数は138人です。一方令和3年4月の港北区内の3歳児受入予定数は139人です。この受入予定数は利用される連携枠は除いた数字ですし、全員が連携園への進級を活用しないというのは考え難いことです。横浜保育室卒園児も小規模卒園児と同じ加点を持って翌年4月の利用申請に臨むと思いますが、Bランク以下の割合は小規模より多いと思われますので、それなりにどこかしらに決まるように見えます。
では、重点整備地域に指定されている日吉、日吉本町、箕輪町、綱島東に絞って比べてみます。2020年12月1日現在の2歳児クラス利用者人数は60人です。枠は44人です。やや厳しくなりました。
重点整備地域の3歳児は基本的に新設園頼みの枠です。新設園の2歳と3歳の差分の枠は近年同時に新設された小規模園の連携枠に吸収される傾向があり、翌年以降は受入ゼロになることが多い模様です。
激戦地域の方は近くに新設がない年は連携先を活用しないと詰む可能性がありますので、卒園まで転園したくない方は情報を集めましょう。
連携先が幼稚園混在の場合
では幼稚園が混在している場合はどうでしょう。
その場合は幼稚園に進級希望するか保育園に進級希望するか、どちらも棄権するかを選びます。幼稚園と保育園の両方に希望を出すことはできませんが、幼稚園への進級を希望して幼稚園の選考に通らなかった場合は、改めて連携先保育園への優先枠進級の希望を出すことができます。
なお、幼稚園へ複数の進級希望が出た場合は幼稚園の園長が選考します。
正確な数値はわかりませんが、私の近所の幼稚園は落ちる人がいるか、いないかくらいの噂が出回る程度で、入園倍率が2倍など聞きません。
幼稚園と保育園で迷っていてどちらに決めるかギリギリまで悩みたい場合、確率2倍の選考になってまで幼稚園を希望するメリットはないと考えますので、少なくとも日吉綱島エリアで希望が被りそうなら保育園一択です。幼稚園は一般選考で申し込めば良いのです。悩むケースがあるとすると連携幼稚園の人気が著しく高く、保育園の定員は例年空いている場合です。
小規模で卒園して不利な家庭、有利な家庭
小規模園に入園する方は基本的に本来認可園を希望している人です。3歳になるまでに事情が変わっていない限り希望の進級先は保育園が基本です。
となると幼稚園を希望しない人ばかりだとどこにも進級先を確保できない可能性も出てきます。
連携元と最寄駅の違う連携園や駅近で誰もが通いやすい連携園など人気が偏ってしまうこともあるでしょう。
小規模園内での利用調整で不利な家庭は3歳児4月を待たずに加点を利用し、早め早めに転園にチャレンジすることをおすすめします。
小規模園内で不利な家庭とは
まず、親の就労形態が不安定な家庭が不利です。2歳児クラスの9月末時点において、居宅内勤務になってしまいそう、(※R4.4からは居宅内勤務と外勤は同じランクになりますのでこの記述はご放念ください。)契約が切れて求職状態になってしまいそう、といったAランク維持が難しそうな家庭は、Aランクが確実なタイミングで転園を検討すると良いでしょう。
ただし下の子の産前産後などであれば後に述べる要素を加味して考えるのが良いでしょう。
次に不利なのがひとりっ子で2人目の子の予定が卒園までない家庭です。
同ランク同加点なら、大抵は小学生以下の子どもの数で優劣が決します。きょうだい同時申請なら更に3点の加点がつき、これは単身赴任と夜勤の両方を取っても同加点にしかならず、子どもの数で劣後します。
もっと強かな家庭は下の子を連携先園に入れておき、ランクアップを取ります。
きょうだいの歳の差で最も多いのが2歳差、3歳差と言われています。つまり子どもを複数人望む家庭は、3歳児クラスになる頃にはすでにもう1人子を持っている可能性が高いのです。そして子どもを複数持つ家庭は全子育て家庭の約半数と言われています。
例えば2歳児クラス8名に対しA保育園2名、B保育園1名、C保育園4名、D幼稚園1名
この例での中でA保育園、B保育園の人気が高いと予測される場合、クラス内トップ4は兄弟児がいる家庭から出るので、ひとりっ子家庭で保育園希望だとC保育園になるか、連携先の利用調整では保留になる可能性が高くなります。
なおC保育園へ通うのが現実的ではない場合、C保育園は絶対に希望に入れるべきではありません。何故ならこの連携先に内定して辞退した場合、翌年4月の利用申請は一次二次の両方とも受け付けてもらえないルールになっているからです。
2021年1月現在、綱島の小規模では連携先に神奈川区の京急沿いの系列園と協定を結んでいるところもあります。このような場合、希望者が少ないのは予想されることですが、わかりにくい場合は園に昨年はどうだったのかと直接聞いてみるのが良いでしょう。
ひとりっ子家庭の対策は、入園翌月分から認可園へ転園申請を出していくことです。
加点が反映されるのは翌々月ですが、4月入園の場合は内定辞退、年度末の急な引越しなどで5月の枠にはチャンスが生まれがちです。また同学年の子にきょうだいがいる割合が少なければ少ないほど相対的に有利になります。
酷なようですが、新規利用のように何も20園も書く必要はなく、ここのチャンスは逃したくない!という園だけ書くところからスタートするので良いと思います。転園は内定すれば辞退不可能なので迷うような園は希望園に加えるのは保留しましょう。しかし、次の4月の新設園情報が出る頃にはチャンスですから再度真剣に検討しましょう。
小規模園内で有利な家庭とは
もうご理解いただけたと思いますが有利な家庭はきょうだいのいる、特に下にきょうだいがいる家庭です。
下にきょうだいがいる、できる予定の場合は以下の戦略が考えられます。
卒園する場合
-卒園時に育休中
連携先に進級も可能ですが、進級先の利用調整で不利になるため、連携での進級を選ばなければ、卒園で一度自宅保育とし、復職時に上の子はランクアップと加点8点、下の子は加点3点
-卒園時と同時に復職
上の子はランクアップと加点8点、下の子は加点3点
-卒園前年9月までに復職
-復職時下の子は加点3点(ただし上の子の小規模に入園希望ならはランクアップと加点4点)
-下の子が認可園に在園状態で卒園時に上の子が下の子の園に利用申請で2ランクアップと加点9点、その他の園にはランクアップと加点8点
-上下とも小規模在園では卒園時、上の子はランクアップと加点8点、下の子の同時転園は加点4点
-下の子が横浜保育室以外の認可外で、下の子が卒園時に利用申請中の場合は卒園時ランクアップと加点8点、下の子は加点6点
卒園しない場合
-下の子の産育休中に退園
一度自宅保育になりますが、3歳児4月を待たず、どのタイミングで復職でも上の子はランクアップと加点8点、下の子は加点3点
-産育休中は在園し復職もしくは復職済み
-復職時下の子は加点3点(ただし上の子の小規模はランクアップと加点4点)
-下の子が認可園に在園状態で上の子が下の子園に転園申請でランクアップと加点5点、その他の園に上の子転園申請は加点4点
-上下とも小規模で転園申請はどちらかだけでも両方でも加点4点
-下の子が横浜保育室以外の認可外で利用申請中の場合、上の子の転園申請は加点4点、下の子は加点6点
卒園する場合は、下の子が先に連携園に入園してしまえばとても有利になると言えるでしょう。しかし、進級先決定の基準日は9月末ですから、それなりの期間別園送迎を頑張ることになります。
下の子の産育休がある場合、3歳児ではなく2歳児4月復職にトライできるタイミングであれば、下の子の産育休中に退園はそれなりに美味しいのにお気づきでしょうか。上の子は通常の在園児きょうだい加点を超えます。
上で、令和3年4月の港北区内の3歳児受入予定数は139人であることに触れました。2歳児は233人(小規模を除くと211人)です。
3歳児の枠は新設園頼みの地域があることにも触れました。2歳児で受入がある港北区の認可園認定こども園は73園ですが、3歳児では43園に減ります。
1年違うと有利さは変わらず選択肢がかなり増すように感じます。
ただし、そのまま卒園までに復職する覚悟さえ決めて仕舞えば比較的連携先の調整では有利になる状況でもあります。
連携先以外の園に行きたいという強い希望がなければ、わざわざ退園しなくとも良いでしょう。
まとめ
まとめるとこうなります。
- 連携園の希望は無理のない範囲で。行けないところに内定すると詰みます。
- 激戦地域では卒園前年は新設園情報をチェック
- ひとりっ子家庭は早期転園申請が吉