3年目のヨコハマ保活

3年続いた保活が2021年に終了しました。2年目からは激戦区港北に突入し、とりあえず終了しました。

閑話休題107 市民の声から、2024の改正は多胎児にやさしいのか?と年度限定の利用者決定方法は保育の必要性で決まるのか?です。

2024の改正は多胎児にやさしいのか?

今回の利用調整基準改正で多胎児は有利になったのかは気になっていました。

2024年3月までは、

高 在園児きょうだい>多胎児>多胎児以外のきょうだい同時申請 低

という優先順位だったところが

2024年4月から三つ巴になり、かつ年度限定終了児はこれらより1点上回るというのは多胎児に優しい改正なのかという問題です。

 

以下に下の子が三つ子で入園予定だが同園になれないかもしれないと区役所で聞いて不安になっているという市民の声です。

横浜市 市民局 広聴相談課 「市民の声」の公表(詳細)

それに対する横浜市の回答を引用します。

 

本市としても、多胎児を含む複数のお子さまがいらっしゃるご世帯においては、送迎や園行事への参加など、きょうだいが別の園になってしまうことによる保護者にかかる負担は大きいと考えております。

そのため、保育所等の利用調整における保育の必要度に応じた優先順位等を定めている「横浜市給付認定及び利用調整に関する基準」(以下、「基準」といいます。)においては、これまで既にきょうだいが利用している園を申請する場合にのみ適用していた「ランクを一つ引き上げる」優先的取扱いを、令和6年4月入所からは、きょうだいが同時に同じ園に申請する場合にも適用する基準改正を行いました。この基準改正により、きょうだいが同園に決まりやすくなり、多胎児を育てるご世帯への支援につながると考えております。

しかし、ご希望される園の受入人数にも限りがあるため、基準上の優先的取扱いがあっても、すべての方がご希望に沿った園へ入園できる状況ではなく、大変申し訳なく思っております。同園入所の可能性が高まるよう、できる限り多くの希望園をご記載いただくとともに、利用する保育所等が2か所になることもご検討いただける場合には、「利用申請書(保育所等)」裏面の「きょうだい児が、同時に利用申請(転園申請を含む)を行う場合」の記載方法について、お住まいの区の区役所こども家庭支援課へご相談いただければと思います。

(中略)

また、複数のお子様がいらっしゃるご世帯への支援として、令和5年5月より、きょうだいで同時に保育所等を利用申請し、一部のお子さんが保留となってしまった場合、全員が入所できた際に、復職又は就労開始する意向があれば、一部のお子さんを保育所等に通わせながら、そのほかのお子さんの入所を待つことができるという取扱いをしています。全員同時入所に限定せず、一部のお子さんが先に保育所等の利用を開始することもご検討いただける場合には、対象となる条件等を本市ウェブページでご確認ください。

 

読むとわかりますが、まず横浜市の認識としてはこれは多胎児に有利な改正だと考えているということです。

 

そして、その一方で受け入れ人数にも限りがあるため、優先されていても入れないことがあると説明しています。

これはこの家庭が三つ子なので、極端に言えばそもそも空き枠が3以上ないとランク以前の問題で同園にはならないことを意味しています(また4以上あったところでほぼトップ通過しないと同園にならない)。0-1歳児であれば4月入園では多くの園で3人以上の空き枠が見込まれますが、2-3歳児クラスは空いてないからそもそも無理ですよねー、という。

加えて2-3歳児クラスからは前述の年度限定保育終了組に点数で負けるので、この年齢層で言えば今回の改正は多胎児含むきょうだい児に不利に改正されているとすら言えます。

 

これらの横浜市の回答なりアドバイスをまとめると、

受入れ枠数の多い新設園や大規模園を狙え、複数園書け、良いわけないだろうが戦略として一時的に別園も検討するのであれば窓口で書き方相談、先に一名だけでも枠をキープして育休継続する方法もあるので、保育料を数ヶ月無駄に払っていいなら、チャレンジしろ。という話かと思います。

最後のアドバイスは大分金銭的な負担がありますね。無償化年齢を入れるならアリだと思いますが、多胎児(それも3つ子)で0-2歳児であればお勧めするのはわりと金銭感覚がイカれてると思います。

また4月で片方入れて空き枠を待つ手ももちろんありますが、激戦区であれば春夏に都合よく空くのは小規模くらいかなと。認可園だと秋冬空けばラッキーなくらいで、その枠もとれるかどうかはこれまでの年度途中の待ち人数の状況で判断が必要です。

先に入れるタイミングは4月なのか、秋から冬のどちらが有利なのか(手続は秋冬に先に入れると、在園児の春の申請を転園申請に切り替えられるのか否かなどで揉める可能性もあるので)よくコンシェルジュなどと相談すると良いと思います。

 

 

年度限定の利用者決定方法は保育の必要性で決まるのか?

横浜市 市民局 広聴相談課 「市民の声」の公表(詳細)

 

こちらも新しい情報はないのですが、薄々そうかな、と思っていた年度限定の入所者の決め方が明記されています。

年度限定保育事業は、保育所等を利用できず保留となった1・2歳児を期間限定(1年度)でお預かりする事業です。また、入所は利用調整ではなく、年度限定保育事業の実施園と保護者との契約により決定します。

4月1日から当該事業の利用を希望する場合には、本市で一律の申込受付期間を設けており、実施園にはこの申込期間に従って受付してもらうよう、周知しています。その際、利用申込数が受入枠を超えた場合は、先着順ではなく「保育の必要性」等により優先順位を決めるよう実施園にお願いしています。なお、年度途中の利用希望については、空き状況に応じて、実施園が随時申込を受け付けています。

 

ただ、「保育の必要性」等により優先順位を決めるよう実施園にお願いしています。というのは眉唾かと思います。

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これは横浜市年度限定保育事業実施及び助成金交付要綱年度限定保育事業のご案内 横浜市です。

第11条(1)で要件に該当し、受入れ可能な場合は利用を承認するとなっています。書類を先着順で審査すれば先着順で承認することになるでしょう。

一方下記は令和6年4月開所 内装整備費補助事業(七次募集)の募集要項です。

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令和6年4月開所 内装整備費補助事業(七次募集) 横浜市

黄色いマーカーは横浜市が元々つけているものです。

保育士を優先して利用決定するようかなり強調して伝えています。これが保育の必要性により優先順位を決める話なのか。大分私のイメージと乖離しています。

というより、https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/kijun.files/r6kijun.pdf別表1を見ればわかりますが、保育の必要性に優先順位などありません。必要性が認定されるかされないかのボーダーが保育の必要性であるという建て付けです。

 

利用調整基準では保育士の扱いは高いですが、これは利用調整のために政策的に優先順位を決めた利用調整のための基準であって、保育の必要性の高さを示したものではありません。

仮にこれが誤記載であり、利用調整基準が正しい回答であった場合でもおかしなことになります。優先順位を決めるには利用希望者のランクや加点を知る必要がありますが、提出書類にはそのような情報は含まれていません(就労認定か介護かというのは載っていますがランクは載っていません。保育士という認定理由はありませんから保育士かどうかは別に聞かなければわかりません。)。ですから保育園が利用調整基準に従って利用者を決定するのは非常に難しいのです。逆にざっくり年収順に決定することは割と可能です。給付認定通知に保育料のランクが書いてあるので。

 

ということは、素直に読むと保育園は給付決定通知の認定理由欄を見て就労認定かつ、別途収集した個人情報により職業保育士なら優先、それ以外なら園ごとの判断で利用者を決めるよう求めていることになります。

確かにこれは保育の必要性(が就労であり、なおかつ親が保育士であるか否か)等によって優先順位を決めるようお願いされているのですが、はっきり言って胸糞悪い日本語だなという感想しか抱けません。

保育を職業とする保育士家庭の子どもが保育に欠ける度合いが高いと公務員が本気で思っているわけないと思うので、上記のような解釈となりました。

 

年度限定絡みでは何故年度限定は優先されて通常の認可外の加点は低いのか、下記の市民の声で説明されていてこれも興味深かったのですが、長くなりすぎたので回答のコピペと感想だけさくっと。

横浜市 市民局 広聴相談課 「市民の声」の公表(詳細)

本市の利用調整基準における地域型保育事業等の卒園児の優先的取扱いは、本市が認可又は認定し、運営面で助成をしている施設を利用している方に対して、就学までの継続した切れ目のない保育を確保する趣旨として設けており、主に0~2歳児を対象とした施設である認可乳児保育所や小規模保育事業、横浜保育室などの施設を対象としています。

今回、年度限定保育事業につきましても、本市の認可保育所等で事業を実施していることから、地域型保育事業等の卒園児と同様の配慮を行うこととしたものです。認可外保育施設につきましては、本市が認可又は認定した施設ではなく、3歳以上の児童の受入れも実施している施設があるなど、様々な施設の形態を有していることから、一律に地域型保育事業等と同様の配慮とすることは困難であると考えています。一方で、本市が認可又は認定した施設を利用できずに、保育の代替手段として認可外保育施設を利用されている方もいる状況を鑑み、調整指数+3による配慮を設けているところです。

なるほど、市が認定した施設ではないというだけではなく3歳児以上も継続可能な園がある場合があるから差がついているということです。

一方港北区には横浜保育室で3歳児以上も継続可能な園はありました(認可移行済みなので今はありません。綱島の方の園です。)けど、卒園加点ついていました。

小規模園については3歳児以上の受入れを可能とする法改正が検討されていて、また進級先連携園の設定が令和7年度から義務になりますが、横浜市が認定しているという点で認可外とは違うので、というか横浜保育室の例から言うと、多分3歳児以降どうのこうのというのは関係ない話であって横浜市で認定していない施設だからあまり優遇しないだけなので、しばらく小規模が加点を剥がされたりすることはないでしょう。

 

ここまで破綻したというか解読困難な回答が続くと今回の改正が多胎児の支援になるというのも疑わしくなってきますが、まあ横浜市のフィーリング的にはそうなんでしょう。